さてクラスの問題解決に向けて、次なるステップ。

事実をもとに、様々な意見がでてきました。で、どうするか。まずは比べます。比べる時のポイントは2つ。同じ点があるか、違いは何か。な~んだ、当たり前じゃないか、って声が聞こえてきそうです。はい、誰でもやっています。

おそらく、私も含めて、みなさん自然にこうしたことを行っています。あまりに当たり前で拍子抜けしますよね。でも、「なんとなく」と「意識して」では大きく違うと思うんです。つまり、「どうやって共通項・相違点を見出そうか?」と、戦略的に分析する態度がないと、行き当たりバッタリになってしまいます。いつも出たとこ勝負では、ややもすると教師の同調圧力に生徒が屈するか、声の大きな生徒の意見に支配されてしまいがちです。ま、時にはそれでもいいかもしれませんが。

具体的には、ベン図などの表や、対比させるためのフォーマット、グラフィックオーガナイザーなどと呼ばれますが、こんな型を積極的に活用するのが一般的です。そう、情報の可視化ですよね。その上で、共通項が取り出せたらそれを一般化します。また、異なる点が指摘されたら、その点について再度議論が必要になるでしょう。

さて先人たちも、人間の情報処理の行動パターンを分析してみると、どうもこんなことをしてるらしい、と言っているようです。つまり、情報処理の一つの手法として、我々は2つ(以上)の情報の共通項を見出そうとし、異なる点を指摘しようとします。そして、この手法を、Compare & Contrast(比較・対照)と称し、特に時間をかけてトレーニングするのです。複数の情報から自分なりの意見を導くときに使う常套手段なのです。

ということは、クラスで問題が起こったら、事実を収集し、意見を募り、それらの共通項を見出し、それをルール化したり共通理解として確認したりする。もし異なるポイントが指摘されれば、その点について再度検討し、解決を図る。できるだけ、感情論に陥らないように、事実を根拠に議論を進める。子供たちに「君たちで考えて決めなさい!」もいいですが、「こんなふうに決めたらどう?」とガイドしながら、トレーニングすることも必要ですよね。

このように意見を集約していく過程で、納得できない生徒がでてきたら、クリティカルなセンサーが働いているかどうかチェックする大きなチャンス!つまり、共通項が多く見出されてルール化しようとしても、異議を唱えた場合、「なぜ」意義を唱えるのかを「事実」でフォローできるかどうか。そして、その異議が説得力をもったものかどうか。単純に「嫌だから」ではなく、別の事実を根拠として挙げられれば、それはステップアップのいいチャンスです。

さて、少しずつ話を進めてきましたが、次は相違点や異議に対する対応について深めてみます。